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楽天市場・Amazonで売っている店がShopify自社ECを始めるときの在庫・発注設計

最初に結論

  • 最初に決めるのは、モールを続ける併用か、販売をShopifyへ寄せる移行かです。必要な仕組みが異なります。
  • 同じ実在庫を複数販路で販売するなら、全販路へ実在庫の総数をそのまま登録しません。一元同期するか、販路別の販売枠を設けます。
  • 商品の対応付けは、社内の基準SKUを中心に、Shopify SKU、Amazon SKU・ASIN、楽天市場SKUを表にします。
  • 発注を全販路まとめて行うなら、需要も全販路分で見ます。Shopifyだけの売上から全社分を発注すると不足します。
  • UreyukiBoxが現在扱うのはShopifyストア内のデータだけです。楽天市場・Amazonの売上・在庫の直接取込や自動統合は未提供です。

楽天市場やAmazonですでに売れている店がShopifyで自社ECを始めるとき、商品ページの制作より先に決めたいのが在庫の持ち方です。ここが曖昧なまま開店すると、同じ1点を複数の注文へ約束する「売り越し」や、モール分を含めずに発注して欠品する問題が起こります。

楽天市場の公式FAQでも、自社サイトや他モールとの商品・在庫・注文情報の連携は可能と案内されています。ただし、RMSのオプション利用や別途費用・開発が必要になる場合があります。つまり「Shopifyを開けば自動でつながる」のではなく、どの情報を、どの仕組みで、どこまで同期するかを店舗側で設計する必要があります。

まず「併用」と「移行」を分ける

運用モールの販売在庫設計の中心主な注意点
併用楽天市場・Amazon・Shopifyで販売を続ける注文と在庫を継続的に同期する、または販路別に販売枠を分ける同時注文、同期遅延、セール時の急増
段階移行商品や期間を区切ってShopifyへ移すSKUごとに旧販路の停止日とShopifyの開始日を持つ未発送注文・返品・残在庫が並行する期間
完全移行旧販路で新規注文を受けない切替時点の在庫を棚卸ししてShopifyへ登録する停止前注文、キャンセル、FBA返送などの後処理

「将来はShopify中心にしたいが、当面はモールも続ける」なら、当面の設計は併用です。将来の完全移行を理由に、今必要な売り越し対策を省くことはできません。

反対に、旧販路を商品単位で確実に止めてからShopifyで販売を始めるなら、その商品に恒久的なリアルタイム同期は不要なことがあります。ただし、切替前に受けた注文、返品、キャンセル、別倉庫の在庫が収束するまでは台帳を分けて追います。

1. 「どこにある在庫か」をSKUごとに決める

Amazonでは、出品者自身が保管・出荷する方法とFBAを使う方法があります。Amazon公式の初心者ガイドも、この2つを別の出荷方法として説明しています。FBA在庫と自社倉庫在庫を、帳簿上で一つの山にしないことが出発点です。

たとえば、同じ商品が合計100点あるように見えても、内訳が次ならShopifyへ100点は登録できません。

状態数量例Shopifyで直ちに販売できるか
自社倉庫の良品59条件を満たせば販売可能
Amazon FBAに保管30Shopify用に使う契約・運用がなければ除外
楽天市場の未発送注文へ確保5除外
返品の検品待ち4除外
不良品2除外

この例なら、在庫100点のうち自社倉庫の良品は59点です。そこから欠品を避ける安全在庫を4点確保すると、Shopifyへ割り当てられる上限は55点です。さらに楽天市場やAmazonの自社出荷でも同じ59点を売るなら、55点を各販路へ重複登録せず、一元同期または販路別配分を使います。

Shopifyには「販売可能」「引当済み」「利用不可」「入荷予定」などの在庫状況があります。入荷予定を販売可能数に混ぜず、返品検品中や安全在庫を必要に応じて利用不可として扱う考え方は、複数販路でも役立ちます。

2. 社内の基準SKUを中心に対応表を作る

Amazon公式では、SKUを在庫管理の最小単位、ASINをAmazonの商品カタログを識別する番号として説明しています。複数の出品者が同じASINを使うことがあるため、ASINだけを自社在庫のキーにはしません。

次のような対応表を作り、色・サイズ・セット数が違う商品は別行にします。

社内基準SKUShopify SKUAmazon SKUASIN楽天市場SKU保管・出荷元
TEE-WHT-MTEE-WHT-MAMZ-TEE-WHT-MB0XXXXXXXTEE-WHT-M自社倉庫
TEE-WHT-M-3TEE-WHT-M-3AMZ-TEE-WHT-M-3B0YYYYYYYTEE-WHT-M-3FBA

対応表には、少なくとも次を残します。

  • バリエーション単位の基準SKU
  • 各販路の商品・SKU識別子
  • 単品、セット品、同梱品の構成
  • 保管場所と出荷方法
  • 共有在庫か、販路専用在庫か
  • 販売停止中、予約販売中などの例外

SKUが空欄、重複、途中で変更済みの商品は、Shopify登録前に一覧化します。商品名だけで自動対応させると、色違いやセット品を誤って同じ在庫にまとめる危険があります。

3. 共有在庫は「一元同期」か「販路別配分」で守る

一元同期する場合

注文が入るたびに、基準となる在庫から各販路の販売可能数を更新します。確認するのは「連携できるか」だけではありません。

  • どのシステムが在庫数の正本か
  • 注文受付から他販路への反映まで、どの程度遅れるか
  • セールや障害時に更新が滞ったら販売をどう止めるか
  • キャンセル、返品、一部出荷で在庫をいつ戻すか
  • セット品が売れたとき、構成する単品を何点減らすか
  • 手動修正と自動更新が競合したとき、どちらを優先するか

楽天市場の公式案内は、外部サイトとの連携にオプション、費用、開発が必要な場合があるとしています。AmazonもセラーセントラルやFBAで在庫を管理します。採用候補のアプリや一元管理システムについて、対象プラン、対応する出荷方式、更新方向、障害時の挙動を個別に確認してください。

販路別に配分する場合

同期を使わない、または更新間隔が業務に合わない場合は、実在庫を販売枠として分けます。

各販路の販売枠の合計 + 安全在庫 <= 共有倉庫の販売可能な実在庫

在庫100点のうち、Amazon40、楽天市場30、Shopify20、安全在庫10のように配分します。売れ行きに応じて配分を見直しますが、ある販路の余りを他販路へ移すときは、元の販路の数量を先に減らし、反映を確認してから移します。

配分方式は、同期障害の影響を限定しやすい一方、売れない販路に在庫が残り、別の販路が欠品することがあります。売り越し防止と販売機会のどちらを優先するか、SKUの回転速度ごとに決めます。

4. Shopify開店時の初期在庫を確定する

初期在庫は、モール管理画面の数字をそのままコピーせず、同じ時刻を基準に棚卸しします。

  1. 基準時刻を決め、その前後の手動在庫調整を止める
  2. 自社倉庫の良品をSKU別に数える
  3. 楽天市場・Amazon・Shopifyの未処理注文を確認する
  4. FBA、委託倉庫、移動中、返品検品中、不良品を分ける
  5. 安全在庫と販路別の確保数を差し引く
  6. Shopifyへ登録する数量を担当者が承認する
  7. 少数のテストSKUで、注文時に想定どおり在庫が減るか確認する

Shopify公式も、在庫追跡を有効にし、ロケーションごとに初期数量を入力した後、管理画面とテスト注文で更新を確認する手順を案内しています。複数倉庫がある場合はロケーションを分けます。Shopifyの各ロケーション在庫は個別に追跡されるため、「自社倉庫」「店舗」「外部フルフィルメント」など、物理的な責任範囲に合わせます。

最初から全商品を開ける必要はありません。回転が穏やかで、SKU対応と保管場所が明確な商品から始めると、差異が出たときに原因を追いやすくなります。

5. 発注は「どの販路の需要を満たすか」で分ける

在庫同期と発注計算は別の問題です。在庫数を各販路へ正しく反映できても、Shopifyの売上だけを見て全社分を仕入れれば、楽天市場・Amazonの需要を見落とします。

共通の仕入先から全販路分をまとめて発注するなら、次の情報を同じSKU単位で集めます。

  • Shopify、楽天市場、Amazonそれぞれの販売数
  • キャンセルと返品をどう販売実績から扱うか
  • FBA納品分と自社倉庫補充分
  • 仕入先のリードタイム
  • 発注済みで未入荷の数量
  • セール、ポイント施策、広告など販路固有の需要増
  • 最低発注数量、ケース入数、発注間隔

実務では、発注点を次の考え方から始められます。

発注点 = リードタイム中の予測販売数 + 安全在庫
発注候補数 = 目標在庫 - 現在庫 - 入荷予定 + 引当・不足分

ただし「現在庫」「販売数」「入荷予定」をどの販路まで含めた数字か、計算表に明記してください。全販路共通の発注書を作るのか、Shopify用の補充だけを管理するのかで入力範囲が変わります。

Amazon公式の在庫管理資料も、発注点、リードタイム、安全在庫を基本用語として挙げ、FBAでは在庫補充通知や発注推奨ツールを案内しています。楽天市場にも在庫切れ通知や外部の一元管理手段があります。各販路の機能で得た推奨値をそのまま合算せず、同じ在庫と需要を二重計上していないか確認します。

UreyukiBoxでできる範囲

UreyukiBoxは、Shopifyストア内の商品・在庫・販売データを使い、販売速度、リードタイム、安全在庫から発注点と発注数量を計算し、アラート、発注書、入荷確認へつなげるShopifyアプリです。需要予測と発注点の考え方も合わせて確認できます。

現在、Amazon・楽天市場の売上や在庫を直接取り込んだり、自動で統合したりする機能は提供していません。そのため運用は次のように分けてください。

  • Shopify用に確保した在庫とShopifyでの販売を管理するなら、その範囲をUreyukiBoxで発注判断につなげる
  • 全販路共通で仕入れるなら、Amazon・楽天市場分を含む全体需要は別の一元管理システムや集計表で確認する
  • UreyukiBoxのShopify販売実績だけを、全販路合計の需要実績として扱わない

他販路売上取込はv2での対応を予定しています。提供時期は未定で、現行版では利用できません。 v2を前提に現在の在庫同期や発注業務を省略せず、現時点で利用できる仕組みだけで運用を閉じてください。

開店前チェックリスト

  • 併用、段階移行、完全移行のどれかを決めた
  • 社内基準SKUと各販路の識別子を対応付けた
  • FBA、自社倉庫、委託倉庫、店舗在庫を分けた
  • 在庫の正本と、各販路への更新責任者を決めた
  • 一元同期の遅延・停止時の販売ルールを決めた
  • 同期しないSKUは販路別の販売枠と安全在庫を決めた
  • 初期在庫から未処理注文、検品待ち、不良品を除いた
  • 発注計算に含める販路と含めない販路を明記した
  • 少数SKUで注文、キャンセル、返品、入荷を確認した
  • 移行するSKUには旧販路の停止日とShopifyの開始日を設定した

よくある質問

楽天市場・Amazon・Shopifyに同じ在庫数を登録してもよいですか?

同じ実在庫を3販路で共有する場合、各販路に総数をそのまま登録すると売り越すおそれがあります。一元管理で注文と在庫を同期するか、販路別に販売枠を分け、安全在庫を差し引いてください。

AmazonのASINをShopifyのSKUとして使えば商品を対応付けられますか?

ASINはAmazonの商品カタログを識別する番号で、出品者が管理するSKUとは役割が異なります。社内の基準SKUを決め、Shopify SKU、Amazon SKU、ASIN、楽天市場のSKUを対応表で管理する方法が安全です。

Shopifyを開店するときの初期在庫はどう決めますか?

棚卸時点の実在庫から、Amazon FBAなど別拠点の在庫、未処理注文、返品検品中、不良品、安全在庫、他販路へ確保する数量を除き、Shopifyで販売してよい数量だけを登録します。

モールをやめてShopifyへ移行する場合も在庫同期が必要ですか?

旧販路の販売を完全に止めた後は恒久的な同期が不要な場合もあります。ただし、停止前の未発送注文、返品、キャンセル、FBAなどの残在庫が収束するまでは別管理が必要です。併用期間と切替日を先に決めてください。

UreyukiBoxは楽天市場・Amazonの売上や在庫も取り込めますか?

現在はShopifyストア内の商品、在庫、販売データを対象としており、楽天市場・Amazonの売上・在庫の直接取込や自動統合は未提供です。他販路売上取込はv2での対応を予定しています。提供時期は未定で、現行版では利用できません。

公式資料

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